歌のモチーフにもしばしば使われる「ワスレナグサ(勿忘草)」は、ムラサキ科「ワスレナグサ」属の総称です。
ヨーロッパ原産で、北半球の温帯から亜寒帯に分布し、日本には明治時代に「ノハラワスレナガサ」が持ち込まれました。
ただし、「ワスレナグサ」属全体で言えば、日本には「ミヤマワスレグサ(深山忘れ草)」が古くから自生しています。
花は直径9mmほど、花色は白から紫、青で、垂れ下がる枝先に咲きます。
花期は3月から5月です。
今回は、「ワスレナグサ」の花言葉について解説します。
「ワスレナグサ(勿忘草)」の花言葉
「私を忘れないで」「誠の愛」「真実の愛」「真実の友情」といいます。
いずれも良い言葉で、意味が合う相手へ贈るのに向きます。
「私を忘れないで」
「ワスレナグサ」には、ドイツの騎士の悲しい伝説があります。
昔、若い騎士が恋人とドナウ川の畔を散歩していました。
恋人が川辺に美しい花を見つけ、騎士はこれを摘もうとして溺れてしまいました。
彼は水に沈む直前、「私を忘れないで」と言い、その花「ワスレナグサ」を恋人に投げたのです。
この挿話が元になった花言葉です。
卒業や就職などで地元を離れる時、友人へ贈るのに向きます。
この花言葉が合わないのは、遠距離恋愛になる恋人です。
忘れられたくないなら、こまめに連絡を取りましょう。
恋人任せではいけません。
「誠の愛」
騎士の挿話が元になった花言葉です。
その後、恋人は騎士の言葉通り、彼を忘れず過ごしたのです。
誠実な愛情が必要なプロポーズや、愛情表現に向きます。
神に誠実な愛を誓う、結婚式場のチャペルのディスプレイにも良いでしょう。
家族へ誠実に愛情を注いでいる友人に贈っても合います。
この花言葉が合わないのは、口先ばかりで家族に愛情を注いでいると言い、実際にはないがしろにしている人です。
どんなに気持ちがあっても、行動が伴わなければ誠実とは言えません。
「真実の愛」
こちらも、騎士の挿話に由来します。
この話は一見すると、発端は恋人とはいえ、溺水は単なる騎士の過失で、「私を忘れないで」という言葉は、その後の恋人の人生を縛る大変利己的な言葉に見えます。
しかし、実際に恋人が彼を想い続けたという事実が、既に2人の間に死でも引き離せない「真実の愛」が結ばれていた事を表すのです。
心からの愛情を注ぐ子供や配偶者へ贈るのに向く花言葉です。
この花言葉が合わないのは、仕事など損得勘定で繋がっている相手です。
その関係性にも重要性はありますが、愛ではありません。
「真実の友情」
「ワスレナグサ」の名から、いつまでも忘れない友情という意味で付いた花言葉です。
「去る者は日々に疎し」といいますが、固く結ばれた友人同士というものは、たとえ何年の間が空き、どんなに離れ住んでいても、ひとたび逢えば昨日ぶりのように親しく話し、酒を酌み交わせるものです。
親友へ贈るのに向きます。
一方、この花言葉を贈るのに向かないのは、浅い関係の相手です。
言葉も安売りすると、どんどん価値が下がってしまいます。
まとめ
「ワスレナグサ」は可愛らしい花です。
花言葉を知れば、単に可愛いだけでなく、趣深く鑑賞出来るでしょう。
花を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。