「ムベ(郁子・野木瓜)」は、アケビ科「ムベ」属の蔓性の常緑樹です。
海外では中国、朝鮮半島、台湾、国内では関東地方以西に分布し、果樹や庭木などで植栽されます。
花は花弁(萼片)6枚で、外が淡黄緑、内側には暗紅紫の筋が入り、全体的な形は破れた釣鐘形です。
花期は10月から11月です。
果実はアケビに似た外見で食べられますが、割れて果肉が露出する事はなく、構造もやや異なります。
今回は、「ムベ」の花言葉について解説します。
「ムベ(郁子・野木瓜)」の花言葉
「愛嬌」といいます。
果実の甘さや、蔓がものに絡みつく様子を、人懐こい人の様子に喩えた花言葉です。
人と関わるのが好きで、行動にも可愛げがある友人や恋人へ贈るのに向きます。
親しみやすさを売りにする料理店のシンボルにも出来ます。
宴会芸などを学ぶ趣味サークルにも良いでしょう。
自宅に植えて、好感の持たれるような、柔らかさや剽軽さを身に付けようと意識するのにも使えます。
この花言葉が合わないのは、人を笑わせ喜ばせる方法として、誰かを貶めるような人です。
自分を下げて笑わせる方が、愛嬌という言葉には合います。
また、にこやかで外見は可愛らしくても、口が悪い人にも合いません。
「ムベ(郁子・野木瓜)」の豆知識
「ムベ」の名の由来は、次のようなものと言われています。
まず、「ムベ」は昔から朝廷(天皇)に献上する捧げ物「贄(にえ)」です。
「生け贄」という言葉で見る字なので、怖そうなイメージがありますが、本来は捧げ物という意味しかありません。
砂糖が一般的になる前の時代、「ムベ」は貴重な甘味であり、重要な捧げ物であった事から「大贄(オオニエ)」と呼ばれました。
これが「オオムペ」、その後「ムベ」になったという事です。
別の説としては、天智天皇が「ムベ」をすすめられ、確かにおいしいという意味で「宜(むべ)なるかな(もっともな事だ)」と言われた、というものもあります。
「ムベ」は漢字に「郁子」をあてますが、「郁」は香気がある事、つまり「良い香り」を指し、「子」は果実の意味です。
「ムベ」は生薬としても扱われ、利尿作用があるとされ、「アケビ」と同じ「野木瓜」の生薬名がついています。
まとめ
「ムベ」は花も果実も特徴的な植物です。
花言葉を知れば、より好ましく感じられるでしょう。
植物との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。