「ムシトリスミレ(ピンギキュラ)」は、タヌキモ科「ムシトリスミレ」属の多年草です。
北海道から四国の亜高山帯から高山帯に分布し、湿り気のある岩場や草地、石灰岩帯にも生育します。
花は淡紫色から濃紫色、白花変種もあり、花期は6月から8月です。
「ムシトリ」の名前の通り、葉から弱い粘液を出し、触れた小さい虫を捕らえ消化しますが、それ以外に特別な組織はなく、いわゆる「食虫植物」からイメージされるような特徴はありません。
今回は、「ムシトリスミレ」の花言葉について解説します。
「ムシトリスミレ(ピンギキュラ)」の花言葉
「幸福を告げる」「欺きの香り」といいます。
花の可憐さと食虫植物という二面性を表した、方向性の違う花言葉になっています。
両方合わせると良い意味も嘘にひっくり返ってしまうため、贈る時は切り分けて伝え、深読みする人には避けた方が良いでしょう。
「幸福を告げる」
「ムシトリスミレ」は「スミレ」の名を持つ通り、小さい紫色の花を咲かせます。
スミレの花言葉には「小さな幸せ」という言葉があり、春の喜びを表すものです。
一方、「ムシトリスミレ」が咲く時期は夏ですが、高山帯の植物であり、雪解け後のようやく暖かくなる季節に咲きます。
その様子は幸せを告げるようで、この花言葉のイメージとよく合います。
幸せを伝えてくれる人は、あなたの周囲に何人いるでしょうか。
具体的に何か言う訳でなくても、顔を見れば幸せな気分になれる、そんな家族や恋人、友人は人生に重要な存在です。
「いてくれてありがとう」そんな気持ちをこめて贈ると良いでしょう。
逆にあなたが幸せのメッセンジャーとして、大事な人へ良い知らせと共に贈る時にも合います。
「欺きの香り」
その可愛らしい花で暖かく幸せな季節を想像させる「ムシトリスミレ」に、香りすら感じた虫が、葉で羽を休めようとした時、欺かれた事に気付きます。
漂っていた香りも、花の色に惑わされた錯覚だった事に気付くのです。
そんなイメージで付けられた花言葉です。
「ムシトリスミレ」の花は、虫を惹きつけ騙すための器官ですが、香りはさしてありません。
嗅覚すら欺く、というイメージです。
「欺く」というと悪い意味ですが、香りにはセクシュアルなニュアンスがあります。
騙し騙される恋の駆け引き、そんな意味なら、絶対に悪いとまでは言えないでしょう。
外見と内面に差があり、それが魅力になっている恋人などへ贈るのに向きます。
相手の心を刺激し惑わせる、香水のブランドイメージにも良いでしょう。
まとめ
「ムシトリスミレ」は、可憐な植物です。
花言葉を知れば、そこにある妖しげな性質にも気づき、楽しめるでしょう。
風景の解像度を増してくれる、花言葉を是非参考にして下さい。