「ムクロジ(無患子)」はムクロジ科ムクロジ属の落葉高木です。
ムク、セッケンノキ、モクレンジなどの別名で呼ばれることもあります。
また学名はSapindus mukorossiといいますが、これは「ムクロジ(無患子)」から来たものです。
加えて「ムクロジ(無患子)」の名前の由来として、「ムクロジ(無患子)」の木があると病気を患うことなく過ごせるという説、子が病を知らずに過ごすことができるという説、種子が黒い様を表した「実黒地(みくろじ)」が訛ったという説などがありますが、はっきりとしたことは分かっていません。
なお「ムクロジ(無患子)」の花は穂状にまとまって付くもので、色は黄色〜黄緑色。
花穂の大きさは20〜30cmほどとなりますが、花ひとつひとつの大きさは4〜5mm程度ととても小さなものです。
開花期は6〜7月。
たくさんの虫を呼び寄せる虫媒花であるという側面も持ちます。
「ムクロジ(無患子)」の花言葉
古くより人と関わりのある種であるにもかかわらず、「ムクロジ(無患子)」には花言葉が割り当てられていません。
この原因としては花言葉発祥の地であるヨーロッパにおいて、本種が分布していなかったことが考えられるでしょう。
なお花言葉を与えるとするなら「健康」「浄化」「信仰」などが良いと考えられます。
「健康」や「浄化」はその実が生薬や石鹸として使われていたことから、「信仰」はお寺や神社と関わりが深いことから来たものです。
「ムクロジ(無患子)」の豆知識
「ムクロジ(無患子)」は東アジア〜東南アジアを中心に広い範囲に分布しています。
具体的には日本、朝鮮半島、中国、台湾、インド、ミャンマー、ベトナム、タイなど。
野生下では山地にてよく見られる種ですが、日本では神社やお寺に植えられていることも多いです。
使い道の多い木で、例えばその果実の皮は石鹸のように使われていました。
皮にはサポニンという成分が含まれていて、水の中でもむと泡立ち、十分な洗浄効果や殺菌効果を示すのです。
またその黒く硬い種は、羽根つきに使う玉や数珠として使われます。
数珠はもともと「ムクロジ(無患子)」の種で作られていたと言われており、現代では「ムクロジ(無患子)」の種から作った数珠は高級品として珍重されるようです。
加えてその材は、家具材や器具材として用いられます。
まとめ
「ムクロジ(無患子)」はムクロジ科の落葉高木です。
様々な使い道がある木で、その果実は石鹸として、その種は数珠や羽根つきの玉として、その材は家具材や器具材などとして用いられてきました。
しかし古くから人との関わりが深い木であるにもかかわらず、花言葉は割り当てられていません。
花言葉を与えるとするなら、その用途や効能から「健康」「浄化」「信仰」などが良いでしょう。