「ホウライカズラ」はマチン科ホウライカズラ属のつる性木本です。
蓬莱(ほうらい)とは古代中国において仙人が住むとされていた場所のひとつで、この世ではなかなか見られない珍しい種であることからこのような名が付いたと言われています。
現代においてもなかなか見られないもので、人間との関わりはほとんどありません。
観賞用に栽培されることもなければ、食用になることも薬用になることもなく、市場に出回ることもないでしょう。
ゆえに生で花を見ることはとても困難であると言えます。
ちなみに開花期は6~7月で、花は白~クリーム色の星形のものです。
花の大きさは1~2cmほどで、花びらが後ろに強く反るという特徴があります。
また花が終わった後は、大きさ1cmほどでオレンジ色~赤色の丸い液果を付けます。
「ホウライカズラ」の花言葉
「ホウライカズラ」に花言葉はありません。
花言葉を与えるとするなら、その珍しさから「稀有」「貴重」「珍奇」「千載一遇」などが良いでしょう。
もちろん贈り物に使えるものではありませんが、もしも出会うことができたなら、それは二度とないような幸運なことであるかもしれません。
「ホウライカズラ」の豆知識
「ホウライカズラ」の分布域は本州(関東以西)、四国、九州、沖縄、台湾です。
人の手が入らないか、人による影響が少ない常緑樹林内で見ることができる可能性があります。
森林伐採などにより個体数を減らしており、東京都、福井県、奈良県では絶滅危惧Ⅰ類に、京都府、鳥取県、愛媛県では絶滅危惧Ⅱ種に指定されているようです。
ちなみにホウライアオカズラという名前がよく似た植物がありますが、あちらはキョウチクトウ科ギムネマ属で「ホウライカズラ」とはまったくの別物。
昔から糖尿病の治療薬として利用されているハーブで、葉を噛むと甘味を感じなくなるという不思議な現象が起こります。
また「ホウライカズラ」が属するマチン科の代表的な植物であるマチンは、ストリキニーネという成分を含む薬用植物として知られています。
ストリキニーネは毒物として扱われることもありますが、健胃薬や強精剤、リン酸塩やバナジウム、セリウムの検出など様々な用途に役立つものでもあります。
まとめ
「ホウライカズラ」はマチン科のつる性木本です。
珍しい種であり、個体数が少ないため人間との関わりはほとんどありません。
花は白~クリーム色の星形のもので、大きさは1~2cmほど。
花言葉はありませんが、与えるとするなら「稀有」「貴重」「珍奇」「千載一遇」などが良いでしょう。