「ヒシ(菱)」はミソハギ科ヒシ属の水草です。
水面に菱形の葉をいくつも広げるという特徴があり、環境によっては水面を覆いつくすほど繁茂することがあります。
また食用にもなる菱形の黒い実を付けるのも特徴です。
「ヒシ(菱)」の実はデンプンを豊富に含むだけでなく、味にクセがない、大量に採れる、健康に良いなどのメリットがあることから、現代においても量は多くはないとはいえ販売、利用されています。
ちなみに開花期は7~10月で、花は1cm程度の白いものです。
4枚の花びらを持つ可憐なもので、水面から少し伸びたところに咲きます。
「ヒシ(菱)」の花言葉
「ヒシ(菱)」の花言葉は「夢のような出来事」と「秘めた思い」です。
これらの由来については、残念ながら分かっていません。
とはいえどちらもとてもロマンチックなもので、花言葉のことだけを考えるのなら恋愛などに絡めるには申し分ないものです。
しかし「ヒシ(菱)」の花はギフトや花束として売られているようなものではないので、現実的には水面を覆うように咲いているたくさんの「ヒシ(菱)」の花のそばで秘めた思いを伝えるといった使い方になるでしょうか。
あるいは黒くとげとげしい殻の中においしい部分を秘めている「ヒシ(菱)」の実にこのような意味を込めるのも良いかもしれません。
「ヒシ(菱)」の豆知識
「ヒシ(菱)」は全国各地の沼や池、湖などで見られます。
国外では朝鮮半島、中国、台湾、ロシア(ウスリー川)などが主な分布域です。
「ヒシ(菱)」の実は古くから食料や薬として利用されてきました。
蒸したり茹でたりするとクリの実のような味がするため、「菱栗」や「沼栗」と呼ばれることも。
また忍者が「ヒシ(菱)」の実を撒いて追っ手の足を鈍らせたという話が知られていますが、これは正確には「オニビシ」という仲間のものであったと考えられています。
加えて4つの辺の長さが等しい四角形を示す「菱形」の由来は、「ヒシ(菱)」の葉あるいは実であるとされています。
まとめ
「ヒシ(菱)」はミソハギ科の水草で、菱形の葉や実を付けることが特徴です。
「ヒシ(菱)」の実はデンプンを豊富に含むため、古くから食用とされてきました。
味は栗に似ていると評されています。
また花は大きさ1cmほどの白いもので、花言葉は「夢のような出来事」と「秘めた思い」です。
花言葉の由来は不明ですが、非常にロマンチックなものであると言えるでしょう。