古くから利用された穀物の1つである「ヒエ(稗)」は、イネ科「ヒエ」属の一年草です。
アフリカから南アジア原産で、日本へは縄文時代に朝鮮半島経由で伝来したと考えられます。
畑や水田で栽培でき、花期は7月から8月、収穫期は9月です。
果実は穂に多数付きますが、刈り取りに適した時期は短く、遅れると穂から落ちます。
今回は、「ヒエ」の花言葉について解説します。
「ヒエ(稗)」の花言葉
「おおらかな心」といいます。
これには幾つかの由来があります。
まず、雑草として水田に生えるけれど、おおらかな心で見逃して欲しいという「ヒエ」側の気持ちが1つ目です。
次に、穀物として収穫しようとすると、果実が落ちやすく、脱穀の時は砕けて食べられなくなるものも出て歩留まりが悪い事です。
大らかな心で、収量を見ないといけません。
そして嫌われ蔑まれても、「ヒエ」はイザとなった時に救荒作物として、何度も人を救ってくれました。
これらから付いた花言葉です。
心が広く、多少の事には腹を立てず受け容れてくれる友達や同僚に贈るのに向く花言葉です。
ビッグサイズの寝具の商品イメージにも使えます。
会社で人の失敗に腹を立てた時、「ヒエ」の混ざった雑穀を食べ、大らかな心でもう一度状況を整理し、怒るより先にする事を考えるのも良いでしょう。
この花言葉が合わないのは、あなたが原因でトラブルを起こした時です。
言ってはならない言葉のかなり上位です。
「ヒエ(稗)」の豆知識
「ヒエ」の語源には、寒冷地でも育つ穀類である事から「冷え」が転じたもの、という説があります。
「ヒエ」は、歩留まりは悪いものの冷害に強く栽培がしやすく、一定の収量が見込めたため、飢饉の救荒作物に利用されました。
「ヒエ」が人を救った有名な例としては、「天保の大飢饉」があります。
農政家の「二宮尊徳」は、冷害が起こる数年前から、村人に1人当たり「ヒエ」5俵(約300kg)を蓄えるよう指示を出していました。
江戸時代の大人1人が1年に食べる米の量が1石(2. 5俵)なので、2人分という事です。
お陰で、記録的な米の不作になっても、彼の村で飢える人は出なかったのです。
「ヒエ」は近代でも主要穀物でした。
作付けがほぼゼロのなったのは、昭和期に入ってからです。
文化的にも重要な位置を占めており、宮中の「新嘗祭」で神に捧げる作物の1つとなっています。
アイヌ文化でも「最も神聖な作物」とされており、炊いたり粥にして食べる他、酒の原料としても使います。
まとめ
「ヒエ」は過去の穀物というイメージが強いかも知れません。
花言葉を知り、興味を深めれば、その歴史に触れる事も出来るでしょう。
植物を多面的に見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。