秋の七草に数えられ、多くの歌人に愛されてきた「ハギ(萩)」。
万葉集では梅や松より多く歌に詠まれ、古くから日本人の心をとらえてきた植物です。
マメ科ハギ属の総称で、七草と言われますが落葉低木です。
今回はそんな「ハギ(萩)」の花言葉について、詳しく見ていきましょう。
「ハギ(萩)」の花言葉「思案」
「ハギ(萩)」の花言葉ひとつめは「思案」です。
「ハギ(萩)」の枝は細く枝垂れるように成長し、花も俯きがちに見えるところから「思案」という花言葉が与えられました。
わずかな秋風にも揺らぎ、ほろほろと花をこぼす姿に物思いにふける人の姿を重ねたのでしょう。
じっくりと物思いに耽りたいとき、「ハギ」の咲く散歩道を散策してみてはいかがでしょうか。
「ハギ(萩)」の花言葉「内気」「内気な愛情」
「ハギ(萩)」の花言葉には「内気」というものもあります。
小ぶりな花が控えめに、どこか寂し気に咲く姿から付けられました。
また苦しい恋を「ハギ」に託して詠んだ和歌の数々から「内気な愛情」という花言葉も持っています。
古より秘めた思いに寄り添ってくれる花として愛されてきた「ハギ」らしい花言葉です。
「ハギ(萩)」の花言葉「柔らかな心」
「ハギ(萩)」のしなやかで繊細な枝葉のようすから「柔らかな心」という花言葉も付けられています。
ふわふわと頼りなく揺れる姿はか弱く映りますが、実は「ハギ(萩)」はとても強靭な植物。
荒れた土地でも生育できる開拓植物のひとつでもあります。
これはマメ科植物が持つ根粒菌のしわざ。
「ハギ」が生えることでその土地を豊かにしてくれる効果を持っています。
繊細でありつつ強靭で、周りを豊かにしてくれるのはまさに「柔らかな心」の在り方を顕してくれているようです。
「ハギ(萩)」の豆知識
お彼岸の頃に食べられるあんことお持ちのお菓子。
春のお彼岸には「ぼたもち」秋のお彼岸には「おはぎ」と呼ばれていますが、実はどちらも同じもの。
「ボタン」の咲く時期に食べるのは「ぼたんもち(ぼたもち)」、そして「ハギ」の咲く時期に食べるものは「おはぎ(お萩)」と呼び分けされているだけなのです。
季節の移り変わりを愛する日本人らしいこだわりですね。
まとめ
「ハギ(萩)」は秋の七草ですが、春の七草と違って食べることはできません。
歌や行事などを通して愛でたい草花を選んだものが秋の七草と言えます。
この秋は「ハギ(萩)」を眺めつつ、和歌や俳句の世界に親しんでみてはいかがでしょうか。