「ドクニンジン(毒人参)」はセリ科「ドクニンジン」属の多年草です。
ヨーロッパ、北アフリカ原産で乾燥地を好み、日本でも1959年に三重県で移入が見られ、現在では千葉、北海道に分布が見られます。
花は白い小花がまとまって咲き、さらにそれが集まって傘の形になるという、セリ科の特徴を表す形です。
花期は7月から9月です。
今回は、「ドクニンジン」の花言葉について解説します。
「ドクニンジン(毒人参)」の花言葉
「あなたは私の命取り」「あなたは私を死なせる」「死も惜しまず」「死をも惜しまない人」といいます。
強い毒性やそれに関するエピソードを表す言葉が揃います。
比喩的には良い意味にも出来ますが、気軽に使う言葉ではありません。
「あなたは私の命取り」
「ドクニンジン」が全草に毒を持つ事から付いた花言葉です。
英語で「ヘムロック(毒草)」の呼び名がありますが、これは「ドクゼリ」と混同される事があります。
「ドクニンジン」の毒「コニイン」は神経に作用し、死亡例もある程です。
自分の命を省みないほど熱烈に愛する人へ贈るのに向きますが、命に関わる言葉を嫌がる人もいるため、安易に使う事は避けましょう。
「あなたは私を死なせる」
こちらも毒性から付いた花言葉です。
江戸時代には「心中もの」が流行りましたが、恋のあまりに死ぬというのは、物語にしばしば見られます。
想いの強さ故に健康を損ねる事もあれば、独占欲が高じて手に掛ける、結ばれない恋をあの世で成就させるなど、幾つかのテンプレートがあります。
強い感情を観客に伝えやすい描写であるのと同時に、死が身近な時代でもあったのでしょう。
誰かに贈るには向きません。
煙草やアルコールなど、健康上の制限がある時、スマホの待ち受けにして、意志が揺らがないよう自分へ言い聞かせるのに向きます。
「死も惜しまず」
こちらも死のイメージから付いた花言葉です。
死を惜しまない行為というのは、尊敬されるものですが、大事なのは生き延びて成功させる事です。
本当に死んだり、失敗したのでは、単なる無計画で迷惑な事と思われるばかりです。
命知らずな人へ贈ると意味は合いますが、あくまで成功後にし、後押しはやめておきましょう。
教唆を疑われるのも厄介です。
「死をも惜しまない人」
「ドクニンジン」が、古代ギリシャの賢人「ソクラテス」の処刑に使われた毒草である事から付いた花言葉です。
彼は自分が賢者である事を検証するため、多くの人と対話しましたが、対話に破れた人の反感を買いました。
更に、彼のフォロワーが、彼の手法を真似て、同じように論破してまわった事から「若者を堕落させた罪」として死刑判決が下ったのです。
多少非合法な手段を取れば、死刑執行から逃れる方法はありましたが、ソクラテスは「ドクニンジン」の毒が入った盃をあおり、命を落としました。
「単に生きるのではなく、善く生きる」という信条のためなら死も惜しまないという、彼を表した花言葉です。
退職してでも自分の信条に従うような人へ贈るのに向きます。
自分の意志の強さの表明としてこれ見よがしに飾ると、安っぽくなるので合いません。
まとめ
「ドクニンジン」は美しい花を咲かせます。
花言葉を知り、興味を深めれば、その毒性や、類似した食用植物にも気づけるでしょう。
花との距離感を知らせてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。