古くから親しまれるダマスクローズは、バラ科バラ属のバラの品種系統です。
学名から「ロサ・ダマスケナ」とも呼ばれます。
紀元前1200年頃にバビロニア地方で栽培されていた品種で、香水原料や雑貨など、幅広く利用されます。
主に香りによって分類された系統名です。
主要な5種類の香りのうち、甘く濃厚な香りで、いわゆる「バラの香り」というと、「ダマスクスローズ」系の香りを指します。
今回は、「ダマスクスローズ」の花言葉について解説します。
ダマスクローズの花言葉
「愛」「美」「美しい姿」「照り映える容色」といいます。
美しく好ましい相手へ贈り、愛情を伝えるのに向く花言葉です。
「愛」
バラに共通する花言葉です。
古代ギリシャ神話の愛と美の女神「アフロディーテ」の花とされた事が由来です。
愛情を伝える贈り物に向きます。
「美」
こちらもアフロディーテが由来の花言葉です。
美しい人や、美しさを作る芸術家などへ贈ると良いでしょう。
「美しい姿」
これが「ダマスクスローズ」固有の花言葉です。
古くから親しまれる「ダマスクスローズ」は、その香りだけで姿をはっきり思い浮かべさせる。
そんなイメージから付いた花言葉です。
敢えて香りに触れていませんが、物事に名前が付くのは、「そうではないもの」が表れた時のためです。
右があるから左が生まれ、夏があるから冬が名付けられる。
香りのない「ダマスクスローズ」はあり得ず、褒めるべきは他の長所という事です。
美しい人を褒めて贈るのに向く花言葉です。
外見のような生まれつきのものを褒められても困るだろう、と考えるかも知れません。
ですが、生まれつき美しい人は稀です。
何かしら、それを維持し、磨く努力が伴います。
伸ばした才能を褒めるのに、遠慮は要りません。
「照り映える容色」
こちらも「ダマスクスローズ」固有の花言葉です。
容色とは容貌と顔色を指し、つまり顔の造作と顔色の事です。
輝くような顔色と美しさは、後光が射すギリシャ神話の神のような美しさという事になるでしょう。
美しさとは、本来付随するものです。
機能美であったり、異性を惹きつける道具であったり、腐っていない状態を見分ける感覚であったり、実用的なものです。
それを「美」単体で成り立たせたのが美術であり、これを香りと姿の2面で追究したのが、「ダマスクスローズ」です。
いきいきとして、輝くように美しい人へ贈るのに向きます。
全てが美しくなくても、そう感じる瞬間があるなら問題ありません。
ダマスクローズの豆知識
ダマスクローズとは、「ダマスカスのバラ」を意味する名です。
ダマスカスは「シリア・アラブ共和国」の首都で、その歴史は古く、歴史に初めて名が出たのは紀元前15世紀のエジプトの文献です。
ダマスカスは「ダマスクスローズ」の原産地と離れるのですが、地中海の東端近くに位置し、東西の貿易路が集約する事から、ここを経由して伝わったバラに名が付いたのです。
まとめ
「ダマスクスローズ」は、香りも姿も美しい花です。
花言葉を知り、興味を深めれば、そこにこめた古代人の思いの一端にも触れられるでしょう。
花をより解像度高く見せてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。