「ジャコウソウ(麝香草)」はシソ科ジャコウソウ属の多年草です。
名前の由来は茎や葉からかすかにジャコウ(麝香)の香りがすることから。
沖縄を除く日本各地に分布する日本固有種であり、山林のジメジメした場所を好みます。
花は細長い筒状のもので、大きさは4~5cmほど。
色は薄いピンク~濃いピンクで、開花期は8~9月です。
「ジャコウソウ(麝香草)」の花言葉
「ジャコウソウ(麝香草)」の花言葉は「勇気」「活発」「強さ」などであり、これらはハーブとして使われるタイム(タチジャコウソウ)と共通のものです。
実はタイムも同じシソ科の仲間。
ただしあちらはイブキジャコウソウ属であり、「ジャコウソウ(麝香草)」とは多くの違いがあります。
しかし、しばしばタイムと「ジャコウソウ(麝香草)」は同じものだと見なされているようです。
これにはタイムの生薬名が「ジャコウソウ(麝香草)」と呼ばれていることなどが大きく関係していると考えられます。
つまり植物のタイムと生薬の「ジャコウソウ(麝香草)」は同じものである一方、植物のタイムと植物の「ジャコウソウ(麝香草)」は別物というわけです。
ちなみにタイムにこういった花言葉が付いたのは、古代ギリシャにおいて勇気の象徴とされていたからだと考えられています。
また由来は不明ですが「ジャコウソウ(麝香草)」の花言葉として「悲しみ」というものも唱えられているようです。
「ジャコウソウ(麝香草)」の豆知識
名前の由来にもなっているジャコウとはジャコウジカの雄から取れる香料の一種です。
今ではジャコウジカが絶滅危惧種になっていることからほとんど生産されていませんが、かつては高級な香料や薬、媚薬などとして使われていました。
その歴史は古く、イスラム教の聖典であるコーラン(クルアーン)に登場したり、かのクレオパトラが愛用していたと考えられていたりするほど。
日本においても一部医薬品などに使われてきましたが、今では需要のほとんどを人工的に合成されたもの(合成ムスク)で賄っています。
一方で「ジャコウソウ(麝香草)」は薬用にはなりませんが、同じシソ科のイブキジャコウソウやタイムには薬草としての側面もあります。
まとめ
「ジャコウソウ(麝香草)」はかすかにジャコウのような香りがする日本固有種の多年草で、8~9月になるとピンク色をした筒状の花を付けます。
同じシソ科のタイム(タチジャコウソウ)と混同されることもありますが、「ジャコウソウ(麝香草)」はジャコウソウ属でタイムはイブキジャコウソウ属。
とはいえ花言葉は共通で「勇気」「活発」「強さ」などです。