「シラネアオイ」という花をご存じですか。
別名「ハルフヨウ」や「ヤマフヨウ」とも呼ばれる、日本原産のキンポウゲ(シラネアオイ)科シラネアオイ属の多年草です。
日本の固有種で、豪雪地帯の深い山の中に自生し初夏にかけて紫や白の花を咲かせます。
今回はそんな「シラネアオイ」の花言葉について詳しく見ていきましょう。
「シラネアオイ」の花言葉「完全なる美」
「シラネアオイ」の花言葉ひとつめは「完全なる美」です。
「シラネアオイ」の好む環境は木漏れ日が落ちるくらいの明るい日陰です。
鮮やかな緑の葉と大きな紫色の花が薄暗がりに咲き乱れるようすが人の眼を奪うほどに美しいため、この花言葉が付けられました。
「山野草の女王」とも称されるほど美しい「シラネアオイ」の花ですが、実は花弁は一枚もなく、紫の花弁に見えるものは萼が変化したもの。
花びらを持たない花が「完全なる美」という花言葉を持っているのは、とても日本的で詫び寂びめいた面白さを感じさせます。
「シラネアオイ」の花言葉「優美」
「シラネアオイ」のもうひとつの花言葉は「優美」です。
もちろんこれも「シラネアオイ」の持つ美しさと、初夏の風に揺れる艶やかな姿から付けられました。
とても人気のある植物ですが、乱獲により徐々に個体数を減らし、絶滅危惧種に指定している県も少なくありません。
山野で見かけても採取することは控え、優美な姿をそっと見守ってください。
「シラネアオイ」の名前の由来
「シラネアオイ」は漢字で書くと「白根葵」となります。
「葵」と書きますが「アオイ」の仲間ではなく、花が「タチアオイ」に似ているためにこの名前になりました。
また「白根」は地名で日光の白根山に多く自生していたことに由来します。
「シラネアオイ」の豆知識
「シラネアオイ」は日本固有種の1属1種で日本でしか自生していません。
この「シラネアオイ」を学会の提出したのは、江戸時代の長崎に鳴滝塾を開いていたあの「シーボルト」なのです。
国外追放になったのち、持ち帰った『シーボルトコレクション』の標本が学界に認められ『Glaucidium palmatum(手のひら状のキンポウゲの仲間)』という学名が付きました。
日本の高山にひっそりと咲く「シラネアオイ」、実はこんな歴史があったのですね。
まとめ
「シラネアオイ」の自生種は絶滅危惧種として保護されていますが、近年では種から育てた栽培用の苗が市場に流通してきています。
栽培難易度がかなり高いベテラン向けの花ですが、自分の庭で「完全なる美」を眺めてみたい方はぜひチャレンジしてみてください。