5月5日の端午の節句に欠かせない「ショウブ」。
古来その香りには魔を払う効果があるとされており、菖蒲湯に浸かった覚えのある方も多いのではないでしょうか。
ヨーロッパおよびアジア原産のショウブ科ショウブ属に属する多年草で、赤やピンクの大型の花びらが幾重にも重なる艶やかな花を咲かせます。
今回はそんな「ショウブ」の花言葉について詳しく見ていきましょう。
「ショウブ」の花言葉「忍耐」
「ショウブ」の花言葉ひとつめは「忍耐」です。
これは男の子の健やかな成長を願う端午の節句の成り立ちに由来しています。
昔、楚の時代に屈原という名政治家がいました。
しかし、謀略に嵌った国王を止めようとして聞き入れられず、悲観した屈原は入水自殺してしまいます。
それを悲しんだ民がちまきなどを河に投げ入れたのが端午の節句の始まりとされ、屈原の「忍耐」が花言葉として残されることとなりました。
ストイックな葉の姿も「忍耐」にふさわしい凛凛しさを感じさせます。
「ショウブ」の花言葉「諦め」
「ショウブ」にはもうひとつ「諦め」という花言葉もあります。
これも上記の屈原の悲しい生涯から来ています。
「ショウブ」の長く伸びた葉は刀の姿に似ているとされ、端午の節句でも腰に差す「菖蒲刀」に使われます。
忘れ難い思いも、「ショウブ」の葉がすっぱりと諦めさせてくれるかもしれません。
「ショウブ」の花言葉「あなたを信じます」
「ショウブ」には「あなたを信じます」という花言葉も与えられています。
「ショウブ」の葉は扁平な剣状で、真ん中に中肋という太い葉脈を持っています。
一本筋の通ったその姿から、強い信念を感じさせるこの花言葉が付けられました。
真っすぐ健康に育ってほしいと祈る端午の節句にふさわしい花言葉です。
「ショウブ」の豆知識
「ショウブ」によく似た花に「アヤメ」「カキツバタ」がありますが、これはアヤメ科アヤメ属に属する全く別の植物です。
実は「ショウブ」の花は花びらの無い緑色のガマの穂のような形をしていて、「アヤメ」の華やかな花とは全く違います。
また「アヤメ」の葉には「ショウブ」のような芳香はありません。
好む環境も違いますが、目を引く美しい花を付けるものは「ショウブ」ではないと覚えておいてくださいね。
まとめ
「ショウブ」は花こそ楽しめませんが、清々しい香りの緑の葉が揺れるさまには格別の風情があります。
湿地を好むので水辺や田などで探してみるのがお勧めです。
凛とした「ショウブ」の力をぜひ日常に取り入れてみてください。