「シャラの木(ナツツバキ)」はツバキ科ナツツバキ属の落葉高木です。
名前の通り、夏(6~7月)にツバキのような白い花を咲かせます。
また名前にある「シャラ」は、本種に似たサラソウジュ(沙羅双樹)から来たものです。
サラソウジュは仏教において涅槃(ねはん、輪廻転生から解放されること)の象徴である有難い木なのですが、日本の気候にはまったく合わないので、国内のお寺では代わりに本種が植えられています。
「シャラの木(ナツツバキ)」の花言葉
「シャラの木(ナツツバキ)」の花言葉は「愛らしさ」「はかない美しさ」です。
「愛らしさ」という花言葉はそのかわいらしい花の姿から来ています。
しかし「シャラの木(ナツツバキ)」の花は咲いたその日に落ちてしまうという性質を持つ一日花。
そしてこれが「はかない美しさ」という花言葉の由来となっています。
その性質上、「シャラの木(ナツツバキ)」の花を贈ることは非常に困難です。
とはいえアクセサリーやお椀、落雁などにしばしばデザインされています。
「シャラの木(ナツツバキ)」の豆知識
「シャラの木(ナツツバキ)」の原産地は日本と朝鮮半島南部です。
日本では東北地方以南の本州、四国、九州に自生しています。
花だけでなく秋に紅葉する葉やツルツルとした質感の幹にも観賞価値が認められており、お寺だけでなく庭や公園、街路などに植えられることも。
成長したものの樹高は10~20mほどとなります。
また西日と乾燥を嫌うほか、チャドクガという害虫にやられやすいので栽培する際はご注意を。
特にチャドクガは全国各地で問題視されているほどの毒虫で、人がその毒針毛に触れてしまうと最悪の場合半年近くもかゆみに悩まされることになります。
おまけに木全体に広がってしまうと個人ではもはやどうにもならなくなってしまうので、早めの対応を心がけてください。
また駆除作業をする場合は、その毒針毛にやられないよう身体をできるだけ露出しないようにしましょう。
加えて毒針毛が付いてしまった服は、50℃以上のお湯に漬けたり、スチームアイロンやアイロンをかけたりすると良いです。
ちなみにチャドクガは他にもツバキ、サザンカ、チャノキなどを好みます。
まとめ
「シャラの木(ナツツバキ)」はツバキ科の木で、夏にツバキに似た花を付けます。
お寺ではサラソウジュの代わりとして植えられることも。
また花だけでなく葉や幹にも観賞価値が認められているためか、庭木や公園樹、街路樹などとしても利用されています。
花言葉は「愛らしさ」と「はかない美しさ」。
花は咲いたその日に落ちる一日花であるため贈り物には向きませんが、アクセサリーやお椀などにデザインされることがあります。