「コマクサ」という花をご存じですか。
「高山植物の女王」とも称えられる孤高の美しさを持つ植物で、日本及び東アジア原産のケシ科コマクサ属の多年性高山植物です。
標高2000mの荒涼とした環境でも凛とした花を咲かせ、登山者の心を和ませてくれる存在でもあります。
今回はそんな「コマクサ」の花言葉について詳しく見ていきましょう。
「コマクサ」の花言葉「高嶺の花」
「コマクサ」の花言葉ひとつめは「高嶺の花」。
限られた高山でしか見ることのできない希少な姿から付けられた花言葉です。
高嶺の花とは、『遠くから見るだけで、手に入れることのできないもの』という意味。
容易に人を寄せ付けない厳しい高山で咲き誇る「コマクサ」にぴったりの花言葉です。
自生地での「コマクサ」の採取は厳しく禁じられていますので、くれぐれも摘み取ったりせずそっと見つめるだけに留めておいてくださいね。
「コマクサ」の花言葉「気高さ」
「コマクサ」の咲く地は他の植物が自生することができない厳しい環境です。
雪すら積もらないほど風にさらされる急斜面や、常に石つぶてが舞う砂礫の地に、選ばれたように咲き誇る「コマクサ」の花はまさに「気高さ」そのもの。
なぜそのような環境で生き残っていけるのか、実はまだ完全には解明されていないのだそうです。
「コマクサ」の凛とした姿は見ているこちらの背筋も正してくれるような力を持っています。
「コマクサ」の花言葉「貴重品」
「コマクサ」には「貴重品」といった一風変わった花言葉もあります。
もちろん手に入れることが難しい「コマクサ」の希少性から来ているのですが、実は「コマクサ」は古来薬草として珍重されており、引く手あまたの薬草だったため乱獲され激減してしまった過去があります。
今では品種改良された種や苗で栽培ができるようになり、保護活動で自生数も増えてきていますが、「コマクサ」の花を見つけたら、昔人が犯してしまった過ちも少しだけ思い出してください。
「コマクサ」の豆知識
「コマクサ」は乾燥した風の吹く高山の山頂や稜線付近にしか自生できませんが、日本で見られる「コマクサ」はたった1種類のみなのだそうです。
日本各地の山頂にどうやって仲間を増やしていったのか、その謎は「コマクサ」が日本に渡ってきた時期にあります。
実は「コマクサ」は氷河期時代に日本列島に渡ってきた植物。
世界がだんだん温暖化していく中で、気温が低い山頂に取り残されていったとされています。
長い歴史を生き残ってくれた「コマクサ」、その歴史を思うとひときわ美しさが際立ちます。
まとめ
「コマクサ」は漢字で書くと「駒草」となります。
「駒」とは馬のことで、確かによく見ると面長の花は馬の正面顔に似ています。
またくるりと巻いた花は踊り子のスカートのようだという人も。
高山植物の女王と言われる「コマクサ」の花を見る幸運に恵まれた方は、そのユニークな形にも注目してみてください。