「コナスビ」はサクラソウ科オカトラノオ属の多年草です。
日本では北海道から沖縄、海外ではアジア東部の温帯から熱帯にかけて分布し、山地から低地の道端でも生育します。
黄色い花を付け、花期は5月から6月です。
今回は、「コナスビ」の花言葉について解説します。
「コナスビ」の花言葉
「私を食べないで」といいます。
「コナスビ」は漢字で「小茄子」と書き、ナスに似た実を付けるとされます。
確かに果実についたヘタはナスのものと似ていますが、果実本体は5mm程度の球形でヘタに隠れるぐらい小さく、それより大きくなる事もありません。
毒があるかははっきりしませんが、特に食べるのに適しているとは言えない事からイメージされる花言葉です。
誰かに贈るような花言葉ではありません。
食品に入れる乾燥剤や、乳幼児向けオモチャのデザインには向いています。
「食べないで」という部分に着目し、食事制限中にスマホの待ち受けにして自分に言い聞かせても良いでしょう。
性的なニュアンスが連想されるため、会社などで異性に対して使うと問題視される可能性があります。
「コナスビ」の豆知識
「コナスビ」は「ナスビの小さいもの」が名前の由来ですが、「ナスビ」の部分も案外語源が思い浮かばないものです。
まず、実の味から「中酸実」(なかすみ)と呼ばれ、これがナスビになったという説があります。
ナスが酸っぱいと言われてもさっぱり分かりませんが、かつての品種は酸味があったようです。
「赤茄子」とも呼ばれるトマトがナス属であると考えると、どこかに酸味成分の遺伝子があるのでしょう。
もう1つは、夏になる実である事から「夏実」(なつみ)と呼んだものがナスビ変化したという説です。
ナスビの名が普及した後、室町時代の宮廷で女官が「おなす」と呼ぶようになりました。
彼女達は「女房言葉」という、頭に「お」を付けて丁寧にしたり、後半を省略したり、「文字」と言ってぼかして柔らかくする表現を使いました。
「握り飯」を「おにぎり」、汁物をよそう「玉杓子」を「おたま」、「杓子」(しゃくし)を「しゃもじ」など、台所周りの言葉などを中心に、現在でも定着しているものも多数あります。
こうして出来た「おなす」から、「お」を省いたのが「ナス」になったのです。
ただ、ナスビの呼び方が残っている地方もあるため、すっかり置き換わる事はなく、混在する事になったのです。
東日本では「ナス」、西日本では「ナスビ」と呼ぶ事が多いようです。
まとめ
「コナスビ」はどこにでも生える、雑草として扱われる花です。
花言葉を知っていれば、その色に気付く事も出来るでしょう。
風景に彩りを添えてくれる、花言葉を是非心に留め置いて下さい。