古来絹糸を吐く蚕の餌として盛んに栽培されていた「クワ」。
東アジア、東南アジア、ヒマラヤ原産のクワ科クワ属の落葉高木です。
奈良時代から栽培されていたため今でも日本各地に自生しており、秋には甘い紫の実で人々の目と舌を楽しませています。
今回はそんな「クワ」の花言葉について、詳しく見ていきましょう。
「クワ」の花言葉「彼女のすべてが好き」
「クワ」の花言葉ひとつめは「彼女のすべてが好き」です。
とてもロマンチックな花言葉ですが、これはギリシャ神話の悲恋から来ています。
恋の成就を許されなかった『ピューラモスとティスベー』という恋人同士が駆け落ちを図るも、勘違いから命を落としてしまう。
その時から白い「クワ」の実が赤黒く染まった、というお話で、悲しい恋の結末からこの花言葉が与えられました。
情熱的な思いを伝えたいとき、きっと「クワ」の実があなたの恋を応援してくれるでしょう。
「クワ」の花言葉「ともに死のう」
「クワ」の花言葉には「ともに死のう」というものもあります。
これも前出のギリシャ神話が由来となっています。
愛らしい実に反して少し怖い意味をもつ「クワ」ですが、死の国までも愛する人を追いかけたいという情熱を感じさせる花言葉でもあります。
白い「クワ」の花言葉「知恵」
「クワ」は最初に白い実をつけ、熟すにつれ黒紫へと色を変化させていきます。
この白い「クワ」の実にも実は別の花言葉があります。
『ピューラモスとティスベー』の悲しい勘違いが無く、生き延びて恋を成就させていたら、「クワ」の実はずっと白いままだったことでしょう。
そのことから「知恵」という花言葉が付けられました。
ただし、未熟な白い実はとても酸っぱいので食用にはお勧めできません。
黒い「クワ」の花言葉「わたしはあなたを助けません」「あなたより生き延びる」
黒く熟した「クワ」の実にも花言葉があります。
若い恋人たちが亡くなっていくのを為す術もなく見守っていた「クワ」の木の実であることから「わたしはあなたを助けません」「あなたより生き延びる」という花言葉になりました。
人に贈るにはあまりふさわしくない花言葉と言えます。
まとめ
嫌なことが起こらないおまじないとして「くわばらくわばら」と唱えたことはありませんか。
漢字で書くと「桑原桑原」となり、「クワ」の木には雷除けや厄払いの効果があると信じられていたことがわかります。
悲しいエピソードだけでなく、不思議なパワーを持つ「クワ」の木。
この夏、その愛らしい実を探しにお出かけしてみませんか。