「キツネノカミソリ(狐の剃刀)」は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
海外では朝鮮半島、国内では本州から九州に分布し、山野に生育します。
オレンジ色の6枚の花弁は、ヒガンバナのように反り返らず、ユリに近いシルエットです。
春先に葉が出た後、地上部分がなくなり、8月から9月頃に花茎だけが伸びて花だけが咲きます。
今回は、「キツネノカミソリ」の花言葉について解説します。
「キツネノカミソリ(狐の剃刀)」の花言葉
「妖艶」といいます。
曲線で構成されたような柔らかい花の雰囲気から付いた花言葉です。
日本髪を結った美人が、カミソリを使い、眉毛や後れ毛などを丁寧に整える仕草からもイメージ出来ます。
もう1つ、キツネの「化かし方」もあります。
キツネやタヌキは古来人を「化かす」と言われてきました。
タヌキは、お化けや茶釜など、直接人を驚かすものに化ける印象が強めです。
一方、キツネは、しばしば美女に化けて人を誑かします。
それが権力者ともなると国をも傾ける、というような複雑な化かし方で、妖艶というイメージに合うのです。
人の魅力は様々ですが、妖艶となると少々危うさが出ます。
容姿の美しさだけでそうなるものでもなく、「それを使うと人が操れる」と気づき、利用し始める事で妖艶になっていくのです。
つまり、妖艶さは、周囲の環境があってこその資質と言えます。
妖艶さを感じさせるような、魅力ある友人や恋人へ贈るのに向く花言葉です。
多少は妖艶さを身に付けようと、庭に植えて見倣うのも良いでしょう。
「キツネノカミソリ(狐の剃刀)」の豆知識
危うげな印象のある「キツネノカミソリ」の名前ですが、これは葉の形から付いたものです。
細く真っ直ぐな葉は、確かにカミソリの刃とイメージの近い形です。
キツネの方は幾つか説があります。
まず「劣るもの」という意味で付けられた、という説です。
何に劣っているかといえば、本物のカミソリという事になります。
これは、「ボタン(牡丹)」よりもはるかに素朴な花しか付けない「キツネノボタン」などに、同じ使い方が見られます。
次は花の色がキツネの体毛を思わせる事です。
他に、葉が出てから一度消えて、その後いきなり花だけが生えて来て咲く、という生態が人間を惑わし、キツネが化かしているように見える、という説もあります。
まとめ
「キツネノカミソリ」は、可愛らしい花です。
花言葉を知り、興味を深めれば、その変わった性質や美しい葉も楽しめるでしょう。
花との距離を近づけてくれる、花言葉を是非参考にして下さい。