「オモト」はキジカクシ科オモト属の多年草です。
漢字では「万年青」と表記されますが、これは葉が常に青々としていることからきています。
またこの表記から想像できる通り花よりも葉を愛でることが多いです。
なお花は4〜6月に咲く穂状のもので、色は白。
一般的な観賞用の花のように可憐で美しいというわけではなく、ずっしりとして肉々しいといった雰囲気のある花ですが、花の後には鮮やかな赤や黄色の果実が付き、これと緑色の葉のコントラストが美しいと評されることもあるようです。
「オモト」の花言葉
「オモト」の花言葉は「永遠の繁栄」「長寿」「長命」「母性の愛」「崇高な精神」「相続」などです。
命や繁栄が長く続く、受け継がれるといったイメージのものが多いですが、それらは「オモト」の葉が常に青々としていることからきています。
また「オモト」は花言葉通り、長寿や子孫繁栄、金運アップに高い効果のある縁起物として扱われることもあり、引っ越し祝いや長寿祝いとして贈られることもあるようです。
ちなみに徳川家が何代にもわたって江戸幕府を維持することができたのは、徳川家康が家臣から「オモト」を贈られたからだというエピソードがあります。
また風水においても非常に良い植物だとされており、新居には何よりも先に「オモト」を持ち込むべしとする資料もあるくらいです。
「オモト」の豆知識
「オモト」は日本にも自生している種であり、古くから観賞用として栽培されてきました。
しかし本格的にブームになったのは江戸時代のことです。
まずは大名や旗本といった上流階級の間で、鬼門(悪い気が集まるとされている場所、具体的には北東の方角)に置いて邪気を祓うものとして栽培されました。
その後は民間にも広まり、明治時代のブームの時には一鉢に現代の価値にして一億円ほどの値が付くこともあったとされています。
また繰り返されるブームの中で数々の品種が生まれ、古典園芸植物の中ではおそらく品種数が一番多いとさえいわれることもあるようです。
ちなみに今では日本おもと協会という愛好家団体が「オモト」の普及や研究、関連資料の保存、新品種登録などを行っています。
まとめ
「オモト」の花言葉は「永遠の繁栄」「長寿」「長命」「母性の愛」「崇高な精神」「相続」などです。
しばしば引っ越し祝いや長寿祝いとして贈られることもある縁起物であり、徳川家の繁栄は「オモト」のおかげだというエピソードもあります。
また日本人の心をつかみ、かつて幾度ものブームを起こしたものでもあり、古典園芸植物の中ではおそらく品種数が一番多いと考える人もいるようです。