オトメシャジンは高い希少性があるキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。
釣り鐘によく似た花を付けるツリガネニンジンの変種で、愛媛県東赤石山近辺にのみ分布しています。
花期は8~10月で、花は薄紫~紫のものが最も多いです。
白やピンクのものもありますが、数が少なくなかなか見ることはできないでしょう。
木がなく日光が遮られることのない、蛇紋岩地帯の岩場を好む性質があります。
「オトメシャジン」の花言葉
オトメシャジンに花言葉は割り当てられていませんが、ツリガネニンジンには「詩的な愛」「誠実」「優しい愛情」「大切な思い出」「感謝」など多くの花言葉があります。
これらは可憐で優しい雰囲気を持つその花のイメージから来たものであり、またオトメシャジンとツリガネニンジンの花はよく似ているため、オトメシャジンも同じ花言葉を持つと考えて差し支え無いでしょう。
「オトメシャジン」の豆知識
オトメシャジンは愛媛県において絶滅危惧1A類に指定されていることもあり、利用されることはありません。
一方、ツリガネニンジンの新芽は「トトキ」という山菜としておひたしや和え物などに、根は「南沙参(なんしゃじん)」という咳止めに良い生薬として利用されます。
またオトメシャジンが好む蛇紋岩は風化すると石綿(アスベスト)を出すとして一時期話題になりましたが、問題になるのは採石場やトンネル工事現場など多くの粉塵が飛散するような場所であって、普通に登山する程度で有意に健康被害が出るということは無いでしょう。
加えてもしオトメシャジンを生で見るために東赤石山に登ろうと考えているなら、難易度が比較的高めでしっかりした準備が必要であることにはご注意ください。
特に岩場地帯は足場が険しいだけでなく、滑りやすい、コースを外れやすい、日光を遮るものがなく熱中症になりやすいなど危険が多いです。
しかし、それらを乗り越えることができれば「花の百名山」や「日本二百名山」に選ばれるほどの美しい花々や風光明媚な景色を楽しむことができるでしょう。
まとめ
オトメシャジンはツリガネニンジンの変種で、愛媛県の東赤石山近辺でしか見ることができません。
釣り鐘のような優しい雰囲気の花は「詩的な愛」「誠実」「優しい愛情」などの花言葉をイメージさせてくれます。
生で見るには当然ながら険しい東赤石山を登ることになりますが、「日本二百名山」に選ばれるほどの風光明媚な景色などを含めその価値は十分にあると言えるでしょう。