その名の通りウサギのような花を咲かせる「ウサギゴケ」は、タヌキモ科タヌキモ属の多年草の食虫植物です。
南アフリカ固有種で、岩壁に貼り付いて生育します。
花は直径6mmほど、上2枚の花弁が飛び出て、下は扇形にまとまる事から、ウサギの顔または全身を思わせる形になります。
花色はごく淡い藤色で、黄色い斑点がつき、花期は夏以外です。
食虫植物ですが、捕虫器は根にあり、表からは見えません。
今回は、「ウサギゴケ」の花言葉について解説します。
「ウサギゴケ」の花言葉
「夢でもあなたを思う」といいます。
「ウサギゴケ」をヨーロッパに伝えたスコットランドの植物収集家「ジョン・サンダーソン」が、南アフリカで没した事から連想された花言葉です。
19世紀、帰ろうと思っても困難な遥か遠い異国で、サンダーソンは誰を思ったのでしょう。
「夢でも思う」「夢で会う」というのは、「思いが強いあまり夢にも出て来る」という意味になります。
一方、日本の古い感覚では、「相手が自分を思うあまり夢に出て来る」という認識でした。
「夢枕に立つ」と言いますが、これも夢を見る側の意思は特にありません。
夢は自分の記憶を整理される過程で発生する、処理過程で見えてしまうだけのものです。
当然、相手に思われているかどうかは何の影響もありませんが、真に受けなければロマンチックな考え方です。
夢でも会いたいと思うような恋人へ贈るのに向きます。
現実ではまず会えない、有名人へのファンレターへ添えても良いでしょう。
ここでいう「思う」は思い慕う良い意味なので、どんなに頭から離れなくても「恨み」を伝える時には合いません。
「ウサギゴケ」の豆知識
「ウサギゴケ」の名は、ウサギに見える花と、背が低く這うように広がる事から付いたものです。
「コケ」は、背が低く這い広がる形態の植物のようなもの全般を指す言葉で、必ずしも地衣類にだけ付いている訳ではありません。
学名の「ウトリクラリア・サンダーソニー」で呼ばれる事もあります。
「サンダーソニー」はジョン・サンダーソンの名、「ウトリクラリア」は「ウトリクルス(小さい気泡)」が語源で、捕虫器を指します。
まとめ
「ウサギゴケ」は非常に可愛らしい花を付けますが、ごく小さく、店先に並んでいても見落とすかも知れません。
花言葉を知り、興味を深めれば、存在に気付き楽しめるでしょう。
風景の解像度も上げてくれる、花言葉を是非心に留め置いて下さい。